「books」タグアーカイブ

読んだ本に関する話題

【読書(9月)】好調を維持!

9月は快挙の5冊。まぁ、多少ページ数が少ない本が多かったかもしれませんが、決して冊数を増やすための意図的なものではありません・・・・

これで、目標(50冊)まであと16冊。このペースで行けば達成可能。厳しいけれど、ダラダラの時間を読書に充てれば十分達成可能ですね。手元には、読みかけ(ほぼ読み終えそう)が1冊と、これからが2冊。「読書の秋」ですし、今月もなんとか5冊行けそうな感じ・・・かな?

しかし、最近は何だか新作に興味が向かわず、古い作品や以前に読んだ作品に思わず手が伸びてしまいます。なんと、今読んでいる作品の次は「罪と罰」。。。キターーーーッ。。。その前に「読んでなかったのか!?」とも言います (汗)。

————————
30. 人間失格 太宰治 http://books.rakuten.co.jp/rb/137366/

実は読んでなかったんですね、この作品。あまりにも有名なんで、何だか読んだ気になってました。しかし、内容は・・・コメントしづらいです。ただ、芥川龍之介の「或阿呆の一生」と同じ世界観を感じました。自分の中にも同じ「何か」があって、それを表現したのがこれらの作品なんだろう・・・と。
————————
31. 商売心得帖 松下幸之助 http://books.rakuten.co.jp/rb/1338974/

これも4年ほど前に読んだものを、改めて読み返してみました。自分のやっていること、歩いている方向に少しの疑問を感じたとき、自信を持たせてくれる、そして変わらない大切なことを教えてくれる一冊です。また、迷いそうになったとき、迷ったときに読んでみたいと思います。
————————
32. 冷静と情熱のあいだ(Blu) 辻仁成 http://books.rakuten.co.jp/rb/1375717/
33. 冷静と情熱のあいだ(Rosso) 江國香織 http://books.rakuten.co.jp/rb/1375710/

感想は先に書きましたので、ここでは省略しますが、この作品には順序がありますので、初めて場合には「Rosso(女性)」から読んでください。しかし、本当に似合わないなぁ・・・。
————————
34. マンチュリアン・リポート 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/6703017/

「中原の虹」に続く作品として昨年発刊されたことは知っていたが、さすがに単行本(1,500円)はねぇ・・・と言うことで文庫化を待っていた作品です。たまたまフラッと入った古本屋で800円で売られているのを見つけて、その他2冊(浅田次郎×2)と一緒に購入しました。
しかし、これも素晴らしい作品で、「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」「中原の虹」と言う三部作の締めくくりとも言える内容となっています。小説の背景となった当時の歴史を知っている人であれば、これだけでも十分に楽しめると思いますが、三部作の登場人物が重要な役割を担って登場しますので、あわせて読むとさらに楽しめる作品だと思います。
・・・蛇足ではありますが、とうとう我慢できずに紫禁城を観にいくことにしました・・・ビョーキです(汗)
————————

冷静と情熱のあいだ

ひとつのラブ・ストーリーを、江国香織が女性の立場(心情・視点)=「Rosso(ロッソ)」、辻仁成が男性=「Blu(ブリュ)」を描いた作品です。まぁ、構成はともかくとして、恋愛小説であることは間違いないので、はっきり言って「似合わない」と自覚しています・・・いいじゃないですか、好きなんですから・・・。

この作品との出会いは、ちょうど10年前。ハリーポッターやら東野圭吾やら、読書を楽しめるようになった、ちょうどその頃で、知人に紹介されて気軽に読み始めたのはいいが、すっかりハマってしまい、(不覚にも)涙してしまったと言うものです。さらに、その勢いは止まらず、映画化の情報とともに発売されたエンヤのCDを買って車で聴き、(当たり前のように)映画を見に行ったほど・・・(はっきり言って映画は残念感満載でした)。

今回は、たまたま入った会社近くのTSUTAYAの書架でBluを見つけてしまい、何かを考える間もなくご購入!さらに、勢い良く数日で読み終えそうになったので、慌ててRossoを入手した次第。たしか、RossoかBlu、どちかかが先と言う「読む順序」があったことは覚えていたけど、現実にはBluしか書架に並んでいなかったので、あまり気にせずに読み始めた・・・です。

しかし、人間の記憶と言うか、自分の感性と言うか・・・いい加減なもので、あれほど感動したはずの作品なのに、筋書き程度にしか内容を覚えておらず、結構「新鮮」な気持ちで読むことができたのは事実 (汗)。「へー、こんなシーンあったんだ」・・・と言う感じです。

そんなこんなで、Bluを先に読みながらも、以前に読んだRossoの内容が部分的に記憶に残っていたので、あまり違和感無かったんですが・・・(後から読んだ)Rossoのラストで驚きました・・最後のページをめくった時、「なんで(あとがき)なんだ!?」「ページ抜けてない?」・・・確かこの後のシーンは・・・あれ?(とBluの最後の数ページをもう一度読んで)「Bluの方が(時間的に)後じゃん!なにごとぉ~?」・・・実は記憶に残っていたラスト(シーン)は、映画のソレだったようです。

この作品は、RossoをBluが追いかける構成になっていて、ラブ・ストーリーもBluで終わっているのです・・・と言うことは・・・Rossoを先に読まないといかんのです・・・。そして、Bluの続きが映画・・・なんです。前回は(薦めてくれた知人のアドバイスで)きちんとRossoから読んだはずなのに、今回は何も考えずにBluから読んでしまったのでした・・・(汗)。まぁ、仕方ないんですがね・・・ちなみに、映画でのBluの続き・・・「蛇足」だったように記憶しています・・・これまたDVD借りてみようかしら・・・。

10年前にこの作品を読んだ時と今、色々なモノ、コトが変わっているけれど、小説の活字の並びは同じ。でも、当時と今では、受け取り方が違っていて「懐かしい」と言うより「新しい」と表現したほうが良いかも知れません。当時は、等身大の自分を作品に重ねて読んだと言う記憶があり、半ば強引に自身を主人公に仕立て、作品の中で歓びや痛みを共有しようとしていたはずです。今回は、10年前の作品を読む10年前の自身を回顧しながら、作品が伝えたかった(であろう)メッセージを冷静に感じ取ることができたように思えます。少し、オトナになったんですかね?また、数年後に読むときには、違った自分が違った受け取り方をしているんでしょうね(笑)。

同じ曲でも、その時の気分で違って聴こえたりするし、絵とか映画も、そして小説も、そう。絶対値が無いというのが「芸術」と言うもので、優れた「芸術」ほど、後々に残されていくもんなんだろうなぁ・・・そして、大好きなこの作品も残って欲しいものだと、まだまだ暑い初秋の週末にボンヤリと考えるおやぢなのでした・・・。

そうそう・・・10年前には、あまりイメージできませんでしたが、本作品の主人公の女性(あおい)を女優の小雪でイメージしつつ読んだことは・・・内緒です(笑)。

【読書(8月)】暑さに負けず快調です

やったね!8月は5冊!予定では6月のはずだった、折り返し点(25冊)を1ヶ月チョイ遅れて無事通過しました。残り4ヶ月で21冊を読み終えるには、月平均で5冊。厳しいかな?イケルかな?微妙な状況となってきましたが、まだまだ十分に達成可能なトコにいるので、今月も楽しみながら読み進めま~す。

————————
25. 二つの祖国 山崎豊子(第三巻)  http://books.rakuten.co.jp/rb/6181952/

26. 二つの祖国 山崎豊子(第四巻)  http://books.rakuten.co.jp/rb/6181953/

東京裁判の模様が映像として頭の中に映し出されるほどに、細かく描写されています。東京裁判とは何を目的として、何を裁いたのか?この歳になって、本当に勉強不足であった自身を恥じるばかりです。勝った側が正義であり、全ての行為は正当化されても良いのか?そして「勝つ」「敗れる」とは何だろう?改めて考えさせる作品です。また、壮絶なラストは、幾つかの山崎豊子作品に共有しており、なんとも「やるせない」気持ちが強く残ります。
————————

27. 突破する力 猪瀬直樹 http://books.rakuten.co.jp/rb/6970395/

今までこの分野の本は「お前(著者)に言われたかねーよ」と思うことが多かったので、あまり読んでこなかったが・・・この一冊はお薦めです。と言うか、猪瀬直樹のメッセージが、それこそ「琴線に触れた」と言う感じです。「閉塞状態」は自分で作り出したもので、実際には何も誰も阻害したり、囲っていたりはしない・・・そうなんです。何だか、先輩にきっちりと説教された気にさせてくれる作品です。

————————

28. 八日目の蝉 角田光代 http://books.rakuten.co.jp/rb/6963773/

この四月に映画化された作品で、井上真央の写真が入った特製カバーに惹かれて読んでしまいました。あまり内容を知らずに読んだのですが・・・男性、さらにオッサンにとっては分かり辛い内容です。前半はドキュメンタリー仕立てで、ドキドキしながらページをめくり読み進めたたのですが、後半からはわかるようなわからないような流れになり、そのままラストへ・・・でした。「母」「娘」と言う立場で読むと違ったコメントになるかと思います。

————————

29. パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾 http://books.rakuten.co.jp/rb/956496/

2005年に一度読んだ作品を引っ張り出してきました。東野圭吾は好きな作家で、去年までは新刊が出る毎に読んでいましたが、ここ1年程は新作ご無沙汰です。ナンだろうなぁ・・・直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」の前後から、ガツンと響く作品に出合えてないように思え、食傷気味な状態です。そこで、好きな作品のひとつを読み直してみた次第です。

1995年の作品なので、展開とかも完成度の高い「今」とは違い、多少乱暴な感もありますが、ドキドキしながら読み進めることができる「勢い」があるように感じます。個人的には、東野ワールドに引き込んでくれた、この頃の作品を気に入っています。最近(と言っても3~4年前)の作品をもう一度読んでから、直近の作品を読んでみたいと思います。

————————

【読書(7月)】戦争について考えてしまいます

今月も快調に4冊。しかも、先月からの「シェエラザード」に続き、時代を同じくする第二次大戦を歴史舞台とした作品ばかり・・・です。1ヶ月遅れながら、どうにか目標への折り返し点に到達できました(正確には現在読んでいる1冊を含めての話)。このままのペースで行けば、今年こそは50冊読了できるかもしれない・・・・そんな期待が出てきた、暑い7月でした(笑)

————————
21. シェエラザード(下) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/1512468/

「戦争」と言う異常な状況は、どの立場に対しても「悲しみ」しか生み出さない。。。そう、強く感じました。時間を超えて、この物語の舞台であり、主人公である「弥勒丸」の内外で生み出された「悲劇」の数々は「戦争」と言う行為がいかに「不毛」であるかを訴えています。「戦争」=「悪」と言う単純な評価ではなく「戦争」と言う「事実」に向かい合い、自分なりの評価と価値観を創りたいと思わせてくれた作品です。
————————

22. 日輪の遺産 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/1145232/

「シェエラザード」に続く歴史小説です。戦争末期の日本を舞台にした作品で、特に8月15日と言う歴史的な日を、独自の観点から取り上げています。この作品は、日本軍だけではなく、米軍(特にマッカーサー)も登場し、日米それぞれの観点から「隠された財宝」を描いていて、その展開にドキドキさせられながも「戦争が作った悲劇」に「悲しみ」と同時に、向かうところのない「怒り」を感じてしまいました。8月27日から上映される映画も見てみたいと思います。

http://www.nichirin-movie.jp/

————————

23. 二つの祖国 山崎豊子(第一巻) http://books.rakuten.co.jp/rb/6181950/

24. 二つの祖国 山崎豊子(第二巻) http://books.rakuten.co.jp/rb/6181951/

あまりにも重そうだったので手が出せていなかった作品です。「シェエラザード」「日輪の遺産」の勢いで読み始めました。。。面白い!とても失礼な評価かも知れませんが、今まで接したことのなかった米国視点は新鮮で、ある意味衝撃的です。二世の持つ「日本人の心」と「米国人の立場」と言う微妙なバランスが「戦争」により崩されている様を描いた作品で、両国それぞれからの差別行為には「怒り」を感じてしまいます。マッカーサーを含め、先に読んだ「中原の虹(浅田次郎)」「不毛地帯(山崎豊子)」そして「日輪の遺産」に登場した歴史上の人物が多く出てくるので、より立体感を持って楽しむことができるのも、この作品の楽しみの一つです。

————————

【読書(6月)】折り返しました

久しぶりの4冊。あと二日くらいで「シェエラザード(下)」が終わりそうなので、実質5冊。結構読みましたな。実際、浅田次郎、池上永一だと読むペースが上がる気がします。しかし、半年を終えて20冊と言うことは、年間で40冊。。。やっぱりマズイですねぇ。。いやいや、まだ50冊の目標は諦めないぞ!

――――――――
17. 壬生義士伝(上) 浅田次郎 http://item.rakuten.co.jp/book/1502698/
18. 壬生義士伝(下) 浅田次郎 http://item.rakuten.co.jp/book/1502699/

今まで、あまり幕末期から明治までの歴史について興味をもって勉強したことがなかったのですが、初めて「もっと知りたい」と思えるようにしてくれた、そんな一冊です。新撰組の中の目立たない隊士の一人の不恰好ながら真面目な生き様を描いています。「武士道とは?」や「家族愛とは?」をもう一度考えさせてくれました。いやー、これからこの時代について、少しは真面目に勉強してみようと思います。
――――――――
19. 唄う都は雨のち晴れ トロイメライ 池上永一 http://books.rakuten.co.jp/rb/11127166/

久しぶりの池上永一作品です。さすがにテンポいいですねぇ。。本作品は、完全に前作の続きなので、登場人物や物語の背景の説明もありません。なので、きちんと前作を先に読んでください。なんとなく、首里城を中心とした「テンペスト」の外伝的な位置づけだった前作から、那覇を舞台とした「トロイメライ」の世界が作り上げられた感があります。もちろん前作と同じく「テンペスト」の登場人物も出てきますが、こちらの人物説明もありませんので、これまた先に読んでおくことをお薦めします。
――――――――
20. シェエラザード(上) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/1512467/

大戦末期に日本の貨客船が米潜水艦の攻撃により沈められた「阿波丸事件」をモデルにした作品です。現在下巻の3/4で、いよいよクライマックスと言うところですので、感想は来月・・・浅田次郎作品の中でも(個人ランキングで)上位に位置づけられます。とにかく面白い!
――――――――

【読書(5月)】まずい・・・停滞モードだ

5月も色々と理由はつくが、結局は2冊(一応3冊目の途中ではあったが・・・)。マズイですねぇ~。ここ1,2週は多少なりとも落ち着いてきたのでペースが上がりつつありますが、年間目標である50冊が達成できるかイヨイヨ微妙な状況になりつつあります・・・涙。

――――――――
15.  ビジネスマンの父より息子への30通の手紙改版 G.キングズリ・ウォ-ド/城山三郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/654575/

ビジネス本ではありますが、子供の成長を見守る父親の姿が目に浮かぶような優しい内容です。自身は息子に対してちゃんと接しているのだろうか?と自問したくなる作品です。
――――――――
16. 鉄道員(ぽっぽや) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/1139394/

確か10年ほど前に読みましたが、何だかもう一度読みたくなりポチった次第です。全8作品全てが優しく、なんとも表現しづらい、淡い色の世界に引き込まれてしまいました。ホッとさせられる一冊です。
――――――――20112

【読書(4月)】うっ、早くも黄色信号?

4月は例年の通り会社の改組があり、日々バタバタと雑務(と言うと怒られるんだろうな)に追われ、本を読む時間がなく・・・と言うのは言い訳で、結局は「本を読むだけの心のゆとりがなかった」です。。。ハイ!で、残念ながら2冊止まり。4ヶ月(一年の三分の一を経過して)で14冊。こりゃ目標の50冊に黄色信号ですな。。。涙

しかし、ちょっと(直接の営業活動に関わらない)社内事務作業が増えると、テンションがた落ちし、blogの更新もせんわ、本も読まないわ。。。自分でも情けないと思う。もう少しオトナになって、会社と言う組織の中を上手に泳げるようにならないといかんけどなぁ。。。まぁ、この歳になると無理か!?(汗)

いつでも本を読めるほどに心にゆとりを持つこと、本を読むことで自分自身を維持できること。。。心がけます!
————————
13. 中原の虹(第三巻) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/6788743/

14. 中原の虹(第四巻) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/6788744/

三部作、読了!素直に「中国に行って作品の舞台に触れて、感じてみたい」と思います。いやー、ほんと勉強になります。

と余韻に浸っていたら「マンチュリアン・リポート」なんてのが、昨年出ていたんですね。ありゃ・・・とりあえずは文庫化されるまで待ちますです。

————————

【読書(3月)】色々あったがどうにか順調か?

3月は大地震あり、会社では4月改組の準備やら、プライベートでは息子っちの大学挑戦ありーの・・・・と、とにかく色々あって落ち着かなかったが、それでも3冊。三ヶ月で12冊のペースだと、年間で48冊。どうにか目標の50冊はまだ見えている(汗)。これって順調なのかしら?

――――――――

10. 感情マネジメントがあなたのセールスを変える! 顧客の気持 ちを前向きに動かす営業の秘訣 横井真人 http://books.rakuten.co.jp/rb/6167608/

実は、友人の著書なんです。まぁ、営業の基本と言うより、大人の基本・・・ですかね?特に日ごろパソコンと向かいあう時間が長く、人(誰か)と話すことが少なくなってきたなぁ・・・と感じている方、お薦めですよーーー。

――――――――

11. 中原の虹(第一巻) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/6725512/

12. 中原の虹(第二巻) 浅田次郎 http://books.rakuten.co.jp/rb/6725513/

す・ご・い・で・す・ねぇーーー。本当に感心、感動します。「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」に続く三部作の完結編となる作品ですが、前二作を読んでいることが前提になっていますのでご注意ください。今週には最終巻の第四巻に入れそうです。

――――――――

 

【読書(2月)】快調なペースだ!

今月は5冊、快調だ。まぁ「蒼穹の昴」は二度目と言うこともあり、ペースが速かった感もあるが、そこはヨシとしてきちんとカウントする(汗)。しかし、長編を二回読んだのは「白い巨塔(山崎豊子)」以来だけど、今回は二回目にして初めてストーリーの全編を知ることができたという感じです。そうなると「一回目は活字を追っていただけかい?」と言われそうですが、もしかするとそうなのかも知れない・・・と思えるほど、深く感じ入ってしまいました。まぁ、舞台が中国の清朝末期の混乱期であったので「テンペスト」の世界と似通っていたことも、二度目を楽しくさせた要素だったかも知れませんね。。。笑

————————

5. 蒼穹の昴(1) 浅田次郎

6. 蒼穹の昴(2) 浅田次郎

————————

7. 運命の人(4) 山崎豊子

読み終えた勢いのままに、こちらは先ににブログに投稿しました。素晴らしい作品だと思います。沖縄のこと、もっともっと勉強せんといかんです。

————————

8. 蒼穹の昴(3) 浅田次郎

9. 蒼穹の昴(4) 浅田次郎

昨年読んだ時点では「中国の歴史を描いた素晴らしい作品」として読了しました。今回、再度読んでみると、歴史だけではなく個々の登場人物の個性が見事に描かれている人間ドラマですね。素晴らしい・・・の一言です。先月読んだ「珍妃の井戸」から戻って読んだおかげで、作品の中に色々と新しい発見や気づきがありました。こうなるともう一度「珍妃の井戸」を読まないといけない。。。です。ちょっと拾い読みしてみよう。。。

————————

【読書】運命の人

「テンペスト」から続く沖縄シリーズ。こちらは(自分にとっては)歴史ではなく、記憶の世界である1970年代から2000年までの沖縄が舞台となった作品で、登場する人物や場所が実在するため、フィクションと言いながらリアリティ溢れる内容になっています。

「運命の人」特設サイト

全四巻の大作にも関わらずサラサラと読め進められたのは、山崎豊子のタッチの良さと、作品に登場するひとつひとつのエピソードが身近なものだったからかも知れません。また、主人公が父と同じ新聞記者であったことも、楽しめた要素だったと思います。

(ここからはちょっとネタばれになりますが・・・)

一巻から三巻までは法廷闘争の色合いが濃く、「白い巨塔」を思い出しました。正直、このあたりでは「もう少し沖縄を描いてくれよーー」と、ちょっと残念に感じていましたが、遅れて届いた第四巻、これにはやられました。

両親から語られてきた「沖縄戦の悲惨さ」については、それなりに理解してきたつもりだったのですが、その後の米統治下での「圧政」については、子供だったので肌で感じることが少なかったせいか、日常化していたせいか、良く理解していませんでした。まぁ、勉強不足と言えば、その通りなんですがね。。。。汗。この作品は、そんな自分に、日米の「両国」から都合良く扱われてきた沖縄の悲劇の歴史(近世)を、改めて教えてくれました。特に、この作品に登場する事実は歴史の中ではなく「今日も続いている」と言うことを再認識させられました。

基地が存在することは現実であり、ある意味「当たり前」の状態なのが現在までの沖縄。フェンス1枚隔てた「そこ」は、沖縄でも日本でもない「アメリカ」。子供のころにドルで小遣いをもらい、近所の商店でアメリカ産の甘いお菓子を買っていたことも「当たり前」だったんですから。。。。また多くの人が基地の中で働いており、実際、母もその一人でした。

復帰の意味は良く判っていなかったけど、住所に「沖縄県」と書けるようになったことを喜んだ記憶があります。テレビで見る「日本」と当時の「沖縄」は、言葉も服装も同じで、学校で習うことも同じだったので、自分にとっては「ドル」が「円」に変わったことくらいが大きな「変化」でした。

復帰から6年経った1978年に、車の通行が右側から左側に変わったことで、外見上は完全に「日本」となりました。当時の自家用車も左ハンドルのカローラで、メーターもマイル表示。まぁ、当時の沖縄だと「普通」ですね(笑)。免許を取った頃は既に左側通行に変わっていましたが、時折この車を運転していたことを思い出しました。

また、ドライブインと言う自動車で入れるレストランがあって、注文した料理(ハンバーガーだったかな?・・・)を、駐車した車の窓へスタッフがセットしてくれたトレーに置いて車内で食べたりもしたなぁ。。。

などなどと思い出すだけでも、貴重な経験をしてきたように思える。もちろんのことだけど、自分らより10歳くらい若い世代だと判らないだろう。。。

子供として肌で感じた統治下の沖縄は、そんなに悪いものではなかったように記憶しているが、実際には多くの事件や問題が発生していたことを忘れてはならないと思う。そして、我々の世代がもっと学び、伝えていかなければならない事がたくさんあることをこの作品は教えてくれた。

薩摩から明治政府、そして日本政府からアメリカへと移り変わる歴史の中で翻弄され続けてきた沖縄。今また、基地問題や尖閣諸島問題を通して、日米中国が囲むテーブルの真ん中で「カード」として扱われているように感じる。そんな混沌とした時代だからこそ、もう一度沖縄について考える必要があると思う。

「テンペスト」「琉球処分」そして「運命の人」。学ぶことを教えてくれた、素晴らしい本に出合えたことに感謝したい。そして、舞台となった場所にできるだけ多く足を運び、歴史や過去に起こった事実を肌で感じ、自分なりの歴史感、世界観を持てるようになりたいと思う。そして、美しい歴史を持つ「琉球」であり続けられるように、何らか尽力したいと思うのでありました。